ワタクシは映画マニアでもないし、ガンダムはにわかだし、レビューをする意味なんか…。
だが、彼は言うんだ。
「それでも」って―――。
というわけで薄っぺらのぺらぺらなレビュー(というか感想文)を書きます。
有休で初日に劇場へ見ようかとも思ったんですが、豪華版のパンフレットについている最終報告書みたいなやつを公式サイトで見たんすよ。
で、調べると最終じゃないほうの報告書はムビチケだかなんだかの特典でもう売ってはいなかったので、そもそも断念。
なんだその理由はと言われそうですけれど、こういうのでつまづくともぅマヂムリ…、ってなるんすよね。
ってなワケで此度の円盤発売を待ちまして、ガノタのおっちゃんに借りたブルーレイで見たので、感想文書きます。(2回目)
(ってか、お前が買ったんじゃないのかよっていうね。)
商品概要(略式)
メーカー : サンライズ
商品名 : 機動戦士ガンダムNT
ラインナップ : 色々
発売日 : 2019年5月24日(劇場公開日は2018年11月30日)
価格 : 色々
ストーリー
UCの後のお話として、ニュータイプとサイコフレームをナラティブよろしく物語る作品。
仲良し3人組がティターンズの強化人間の実験が原因でその一人であるモノホンのニュータイプを失ってしまい、それを取り戻すためにヨナくんとミシェルちゃんが頑張るお話。
ヨナくんはガンダムという高性能モビルスーツで戦闘を介して、ミシェルちゃんはあれこれ作戦を考えて、失ったリタちゃん、あるいはその搭乗機であるフェネクスを取り戻そうとするんすよ。
尺の問題や機密性が高いことから内部のゴタゴタはないけれど、敵もしっかり出てきて、フェネクスを手に入れようとしてくる。
そして、その敵のエースであるシャアのコピーのゾルタンがいい味出すんだなあ、これが。
サイコフレームの力があれば、時間や生死すらも克服できるから民間人なんか知らないわよって感じでゾルタン並みに自分勝手なミシェルちゃんは、過去のリタちゃんを救えなかった懺悔によるものだった…(´;ω;`)
でも、ガンダムで一生懸命戦った直後のヨナくんにビンタするのはいけませんぞ。
ガンダムに出てくる女の人は暴力的で好きになれない。エマは特に嫌い。
秘密裏に搭載されていたNT-Dの発動や、IIネオ・ジオングにお前が乗るんかいって感じでナラティブガンダムが合体したりしつつも、フェネクスとかいう巨大化したリタちゃんがその度に諭すというか受け入れるというかマジ聖母マリア様。
なんやかんやでIIネオ・ジオングで暴れまわるゾルタンをあれこれして、ナラティブガンダムは大破。
ミシェルは死んで、肉体もろとも吸収されたリタちゃんはコクピットにはおらず。
フェネクスに乗り込んだヨナくんはデストロイモードに変形させて、集まったペンダントとともにIIネオ・ジオングを破壊。ゾルタンもさっぱりさせられた。
最後の大爆発もフェネクスの翼が包み込み、ヨナくんはバナージくんに救出されて、終わり。
最後までエモいんすよ。
もうリタもミシェルもいない、帰る場所もないって言うヨナくんにバナージくんがお決まりの「それでも」、「それでも、いつか」って。
ワタクシ、半分くらい泣きました。
人物、キャラクター
敵からも味方からも「瘦せっぽち」と揶揄されるナラティブガンダムは搭乗時のA装備からどんどん小さくなっていく設定。
ヨナくんのリタちゃんへの後悔やミシェルへの怒りが徐々に無くなっていくその投影だそうで、よくできているよなあ…。
νガンダムの試作機を現代技術で改修してあるものの、元々が古い機体なのであまり強くはないっていう渋い感じ。
アンテナ然りカラーリング然りνガンダムに似ていて、ヒロイックな姿はまさに主人公機で最後まで格好いいよ!
フェネクスは元がユニコーンのMSVみたいなものだったのにあれこれでとんでもない機体に。
リタちゃんの思念が乗り移っているだけあって、女の子らしい動きをする。そっちに目覚めた人も多いとか全くいないとか。
前作の最後で結晶ユニコーンが見せた時間を巻き戻す能力を序盤からバンバン使う化け物。
動力も推進剤は切れているので、不思議な力が流れ込んできて、無限に超高速、超能力を使えるらしい。
シナンジュ・スタインはまさにMSVでMGにあったんだっけ。
フル・フロンタルが使わなかったもう一機として、ジオンっぽい丸みや棘もなく、連邦っぽい角ばったデザインのまま。
ネオ・ジオングとドッキングしている時間のほうが多分長いけれど、コロニーでB装備ナラティブと戦うシーンは流石。
落ち着いたカラーリングとは真逆にゾルタンの荒々しい性格を動きで体現していて、めっちゃイカしていましたぜ。
IIネオ・ジオングは前作のほとんど動かずに戦うシーンとは打って変わって、めっちゃ動く。
MSを操るサイコミュも今回は前作以上に使われ、拡散ビームみたいなのもバンバン。
コアユニットとなったスタインもバズーカ打ちまくるやんちゃなやつ。
ついでにサイコシャードもわりと早い段階から展開させて、武装を破壊したフル・フロンタルの平和のような体現ではなく、ゾルタンの憎悪や怒り、憎しみを体現した破壊だった。
そして、人物もイカしてんの多すぎる問題。
優しさと勇敢さ、冷静さを併せ持った主人公然としたヨナ・バシュタくん。
仲良しだったリタは救えず、ミシェルからは裏切られたと思っており、後悔と懺悔の中で葛藤し続ける青年。
A装備の最終奥義みたいなやつをフェネクスに打つ前に取り付けたアンカーを切っちゃったり、あくまでも戦闘中なのに降臨したフェネクスを前に一生懸命話しかけるナイスガイ。
最後はフェネクスをきっちりデストロイモードに変形させて、悪者をやっつける。
うん、めっちゃ好きだわ…///
重労働直後のヨナくんに容赦ないビンタをするザ・ガンダムヒロイン。
名は、ミシェル・ルオ。本名は別。
民間人を巻き込み、時間も死もいずれどうとでもなるとか言うもんで、周りからすれば、なにいってんだこいつ状態。
でも、その思いはヨナくんと似ていた。
個人的な好意があったヨナくんはリタちゃんを助けられればフェネクスはどうでもいいような感じだったが、ミシェルちゃんはリタちゃんも助けた上でフェネクスのサイコフレームをどうにかすることでリタちゃんとも再会し、もう誰にも嘘をつかなくてもいい世界を実現させようとしていた。
昔、3人で分け合ったペンダントをそれでも常に持ち歩き、約束の時が訪れる。
正直、死んでほしいとは思っていながらあれこれ判明してくると悲しいなあ…、って。
ヨナくんに好意がありながらも、リタちゃんに好意があることを察して、背中を押すナイスウーメン。
なんだかんだ長く書いてしまうのはきっと魅力があるんだと感じる。
お偉いさんや部下にも嫌われ、失敗作ということを自覚している。
ときに冷静に、ときに残酷に。
シャアやフル・フロンタルが理想を掲げ、完全な悪役なのに対して、分かりやすい悪役うことらしい。
だが、その実態は主人公3人組と同様に強化人間の実験に巻き込まれた悲しき少年。
IIネオ・ジオングにも裏切られるその情けなさに全日が泣いたよ…。
葛藤したかは分からないが、自覚しつつも進み続けたその姿はあっぱれ。
ゾルタンよ、永遠なれ…。
リタ・ベルナルという聖女。
本物のニュータイプでいずれIIネオ・ジオングと戦うことを知っていた。
頭にメスを入れられ、フェネクスに乗り込む前は背中にもいくつも縫い跡があったことから、チップとか人口筋肉とかそういう類の手術なんだろうか。えぐい。
全てを悟り、文句一つ言わない、そんないい子である。
銀髪の眼鏡。
ミシェル様ラブな奴。
印象的なのは最後のシーンよりもシンギュラリティ・ワン。
そう、シンギュラリティ・ワンッヌ。
隊長のおっちゃん。
いわゆるあざといおじさん。
アムロとνガンダムのあたたかな光を見ているが、所詮は卓越したオールドタイプ。
ニュータイプ、強化人間、ガンダム、サイコフレームと超常の要素の中であがき続ける。
サイコミュに機体を操られた上でミシェルを殺してしまう。
行け、ガンダム!
俺は信じている、可能性を!
お前ならやれる!
うん、あざとい。
艦長のおじちゃん。
人道的な良いおじちゃん。
演出、演技
演技と書きつつ、声優のことはよく分からないのであまり書けないな、たははは…。
あまり気にしないからってのもあるんだけれど、全く違和感なしで見ているのでバッチリジャストな演技なんだろうなあとたまに思う。
怒ったとき、泣いたとき、喜んだとき、苦しいとき、その全てがきっと素晴らしい。
演出はそれはそれは流石ですよ。
作画も相まって、モビルスーツの高速な感じ、そして、さらにそれを凌駕するフェネクスの光速。
ビーム一つとっても、放たれる方向、軌道、着弾の演出、全てが素晴らしい。
ナラティブの登場シーンなんかザって感じでもうね。
フェネクスも女の子らしい挙動はもちろん、飛び方、止まり方。
コロニーでの金色の光、シールドファンネルとともに降臨するシーンはPVでも印象的ですが、劇中ではまさに満を持して。
その後、ナラティブの前に来るシーンも鳥がとまったかのようななんともいえない佇まいで息を呑んだ。
全体を通して、ユニコーンモードがはるかに多く、見終わった後でHGで出せ出せ言われていた理由が分かる。
デストロイモードは過去の暴走時(赤目)と最後にヨナくんが乗ったときだけ。
ナラティブがB装備のとき、IIネオ・ジオングで暴走しかける前もNT-Dのシーンなんかかなりの見どころ。
瘦せっぽちで弱弱しいのが赤目になり、自動操縦。
有線のインコムが無線になり、変形して、A装備のときよりもよほど強力なサイコ・キャプチャーをつくるシーンとかちょっと恐ろしいものがある。
IIネオ・ジオングも前述したが、今作では文字通りの暴れまくり。
サイコシャードも搭乗者の思念を反映させたもので、破壊たる破壊。
ゾルタンが手を合わせて、大爆発を起こすシーンなんかは最高に格好いいんですよ、これが。
でも、結構負荷がかかるみたいで最後は鉄血の阿頼耶識みたいな感じで目と口から血が噴き出ていた。
そして、お決まりの最後のシーンね。
ミシェルが死してなおIフィールドでナラティブを守り、バナージくんが援護射撃でナラティブを守る。
鳥のようなコアファイターで飛び出した直後にナラティブは大破、さらにそのコアファイターから飛び出し、サイコ・スーツを脱ぎ捨てたヨナくんをフェネクスもといリタちゃんが受け入れるシーン。
んんん、ちょっとエロな気がしますぞ…。
自分と渡されたミシェルが持っていたペンダントの欠片、コクピットは残ったリタが持っていたペンダントの欠片。
これがくっつくんですよ、泣ける。
そして、ニュータイプになった(?)ヨナくんと3人の思いとデストロイモードに変形したフェネクスがIIネオ・ジオングの肩を、サイコシャードを、タンクを切り、飛び出したシナンジュ・スタインのコクピットをぶち抜くシーンなんかスピード感半端ない。
ゾルタンの思念がヨナくんに語り掛けるシーンは死亡と同義。永遠なれ。
覚醒したそのサイコフレームは緑色へ。
背中の二基のアームド・アーマーDEが巨大な光の翼みたいなのになって、IIネオ・ジオングとそれが引き起こす大爆発を包み込む。
まさしく、あたたかな光。
その中でコクピットのヨナくんは、置いていかないでくれと、リタちゃんに、ミシェルちゃんに語りかける。
眼前に緑色に輝き、翼を広げたフェネクスとリタにミシェル。
もうね、アップになったフェネクスの顔の左右にリタとミシェルがいるあの光の中のシーンが一番好きかもしれない。
美しく、優しさにあふれたシーンだ。
だけれど、同じような奇跡を体験し、ミネバに呼び戻してもらったバナージくんがヨナくんを助けに来るんですよ。
ヨナくんはもう生きることは諦めていて、今までも痛いことや辛いことばかりで今となっては一人、もうなにもないじゃないかと。
でも、微笑みながら行きなさい、いや、生きなさいとばかりに首を縦に振り、諭すミシェルを前に、後ろからユニコーンのイメージが。
公開のローンチとか円盤のPVで出てくるシーンかな。
もう鳥肌が立つレベル。
あれだけUCで戦うユニコーン散々見ていたのに、こんなにも特別に見えるのかと。
赤いサイコフレームのユニコーンがヨナくんを包み込み、それも緑色に変わっていく。
まだ死ぬときじゃないとばかりに連れ戻すバナージくんだった。
シルヴァ・バレト・サプレッサーのマニピュレーターに乗せられたヨナくんは帰る場所んてない、リタもミシェルもいないと絶望するんですが、そこに激励するかのように頭上をフェネクスが飛ぶんですよ。
そして、バナージくんが言うんですよ。
「遠いな…、光の速さでも追いつけそうにない…。」
「それでも…。」
「それでも、いつかは…。」
ちょっと希望を抱くヨナくん。
なんか、こう、よかった…;つД`)
全体を通して
もうワタクシは小学生なので(嘘)、もう満点です。
ストーリー、満点。
キャラクターのデザインも設定も満点。
メカニックのデザインも設定もやっぱり満点。
作画も最高、満点。
音楽もBGM、主題歌、挿入歌、全てが満点。
演出も素晴らしい、満点。
声優さんの演技も満点。
いやあ、素晴らしかった。
入場特典のカイのレポートとか、シャアたちの年賀カードみたいなのとかユニコーン3兄弟のカレンダーとかヤフオク!で落とそう、マジで。
おっちゃんが言っていたんですが、美しい物語って本当にそう。
最後に持っていかれるんで、景色や言葉で流される感じもあるんですが、ワタクシもそう思いました。
「可能性という名の神を信じて…」と、装甲が戻ったユニコーンが帰るシーンで締めたUCに対して、今作のNTは失うばかり。
エモいなあって思います。
ついでに全体を通して、おっちゃんが言っていたのが「強化人間の悲哀」。
確かに「ニュータイプ神話の行き着く先」と言いつつ、焦点は強化人間だったような気がして。
ヨナくん、ミシェルちゃん、敵といえどもゾルタンも最後のほうで眼帯をした幼少期のイメージが出てきたり。
結局、それぞれ分かり合えるポイントもあったのに、分かり合えなかった結末。
言い得て妙だなと。
あと、ナラティブ体操の画像を見ると、また思うものがありますな。
色々なキャラクターでオマージュされたり、実際にそのポーズをやる人たちが出たり、色々と大成功だったあの画像。
上からの手がリタちゃんなのは言わずもがな、それぞれの近さも直に表していると思うし、また複雑に絡み合った3人はその境遇などがそのまま絡み合っていたと。
ゾルタンがミシェルに、奇跡の度に俺やお前のような人間が切り刻まれるとか言ったりね。
本当に最高の90分でした。素晴らしい。
今回はよりオカルティックな内容でしたが、特に嫌ではない。
脚本家はZのバイオセンサーなりZZの砲台が壊れるまで打ち続けたあれとか、別の次元から力からが流れてきているって解釈みたいだし、それが死者の次元とかそういうことなのかな。
現実に基づいた設定が好きな宇宙世紀おじさんもいっぱいだと思うんですが、そもそもファーストの時点であれこれあるよねっていう。
何度だって、生まれ変わるの。
俺も何度だって、この作品を見たい。
やっぱり買おうかな…(*´Д`*)
最後に
本当にもうガンダムの一大イベントというか、宇宙世紀の復権になっているこのユニコーンから本格的なサイコフレーム物語。
まずは今秋の閃光のハサウェイ 第一部ですが、UC2も楽しみすぎる。
バナナ味くん、いや、バナージくんはもうアムロみたいなレジェンド位置だし、主人公ではないのかもですが、頻繁に出てきたりZのアムロみたいに一緒に戦って欲しいなあ…(*´ω`*)
今回は出ることが分かっていても、ヘルメットで顔が見えなかったり、セリフすら少ないし、出てくるときはもう本当に満を持して、ね。
憎いことするなあ、脚本に演出ゥ!
シーリングされていたユニコーン一号機の写真が過去なのか現在なのかよく分からなかったけれど、バナージくんが呼んだら、ナラティブが破壊された宇宙から元々のサイコフレームが飛んできて、勝手に組み込まれて、自動で動き出してももう驚かないよ、ワタクシは。
なんなら、サイコフレームに蓄積された死者の声なんかで喋りだしても驚かないよ。
でも、もうこれが動き出すとか出てくるときってのはUC2でも本当に最終局面だろうし、ヒトにつくられし神って感じな…。
それとも、バンシィとフェネクスも合流して、ペルフェクティビリティになって、IIIネオ・ジオングと戦うとかヒロイックな展開になっちゃう?
バナージくんはジンネマンとタクヤくんと一緒にジオンにいるのかな?
スーツも白と緑色でそれっぽかったし、ヘルメットのバイザーも紫色でマリーダさんがつけていたものに似ていたし。
まあ、なにはともあれ楽しみ。
UC2の海外ドラマ方式ってのがなんなのか分からないけれど、何年後だろう。
製作がハサウェイチームと同じなら、その三部作が終わってからか…( ^ω^ )泣