只今、レジスタンス

世の歪みの全てに抵抗する工作活動…、という建前。

【レビュー】劇場版 ポケットモンスター ミュウツーの逆襲 EVOLUTION【映画】

EVOLUTION関連の記事もこれでやっと見納め。

 

 

それは2019年7月12日、金曜日に公開された。

ポケモン映画の第22作目にして、第一作目のリメイクである。

 

…、っていう前置きなんですけれど、2ヶ月近い遅れで感想文を書きます。

 

最新の3DCG技術で新作を出したり、リメイクをしたりするのはやはり往年のユーザーにとってはいつの時代も唐突なもので。

俺は真っ先にスタンドバイミードラえもんを思い出しましたよ。見てもいないのに。

2D作画に慣れ切っているというのもあるし、少なくともアニメというと日本はセルアニメーションのほうが多いので、意欲的な作品であるのは間違いないと思う。

 

一方で自分自身はというと、抵抗があるとか受け入れ難いとかそういう類の気持ちが全くないわけではないが、それはそれで面白そうだと。

でも、鑑賞してから一ヶ月以上経過し、グッズも買い漁った今でも思うのはやはりセルアニメーションでのリメイクを見たかった…。

でも、当時から完成度が高かったのは間違いないし、同じようにつくっても綺麗な作画で表現(拘束具とかバリアーのエフェクトとか)が違うとかその程度になってしまうんだろうなとは思うけれどね。

 

けれど、俺みたいなチョロいアホはすぐにしてやられるわけじゃないですか。

ミュウツーファンだからとか言って、ガチャも食玩もホイホイと買って、劇場では購入品を厳選した結果が一万円超える買い物なわけで。

でも、見慣れてくるとその力の入れようというか、まあ、面白そうに思えてくるどころか、本心から映画を見たくなってくるんすよね…。

元々、一番興味があったのはアーマードミュウツーのシーンだったのにそれを超えている。

グッズを買うとどうしても3DCGのビジュアルに目がいってしまうので、それがとてつもなくバランスのとれた格好良さに見える。

最重要で力が入れられたであろうミュウツーはアレンジも加えつつ、原作のスタイルを壊さないような絶妙な完成度を誇っているし。

 

その上、極めつけがこれ。

 

www.youtube.com

 

おいおい、Rita OraのLet You Love Meときたか~、ってなったっすよね…。

 

(あ、いや、ごめん、当時知らなかったんだった…。)

 

プロモーションででも今まで、洋楽が使われたことはあったっけ?

洋楽のリズムと3DCGの美しさと合わさって、最強に見えるまである。

まあ、どちらも馴染みがない故、自分の中にない神秘性みたいなものをそこに見るんだと思う。

ちなみに米国では未だに日本映画の興行収入一位であるらしい。ポケモンはやはりGODか。

 

 

 

 

 

で、しょうもない感想文。

 

 

 

ストーリーに違いはなし。

けれど、多分に楽しめる要素、演出がある。

 

いや、面倒なことを抜きにして、あのGODな作品を3DCGで新しく見られるというだけの理由でファンは見る価値がある。

というかそこが大部分。だって、3DCGの映画だっていうことが一番の売りっすからね。

 

冒頭の勝負を挑んでくるトレーナーが繰り出すドンファンからして、質感が凄い。

像の皮膚はこんなシワというか皮膚の流れがあって、マットで硬そうな感じだよなあとか。

同じようにピカチュウは名探偵ピカチュウほどじゃないんだけれど、フワフワに体毛があったり。

ミュウツーでいうとヌルっとしているわけじゃないんだけれど、ちょっとバイオテックで、だけれども人間に近いような。

 

あとはエフェクトも見どころで、ピカチュウの電気もリザードンの火炎もミュウツーのサイコ云々もリアルなのはもちろん、迫力や臨場感が抜群。

グラフィックがいいのか、アングルがいいのか、目で追えない早さがいいのか、とにかく圧倒される。

 

ただ、人物はやっぱりちょっと不自然なのは否めない。

不気味の谷現象までいっているわけではなくて、やっぱり動きが大袈裟だったり、見ているとちょっと気持ち悪いみたいな。

走るときも手の振り方なのか振り幅なのか、進む速度なのか、若干飛びながら前に進むからなのか。

モーションつけるのは大変だと思うし、改善して欲しいわけでもないんだけれど、違和感はあるなって感じ。

いや、あえて狙っているのかもしれんけれどね。

 

 

 

そして、演出というか表現方法というか。

 

自然一つとっても、風であったり、川や川底であったり、波であったり、嵐であったり。

ミュウツー城に行くまでの航路は原作でもハラハラさせられたけれど、今回は3Dな分それが増しているというか。

あとはサトシがミュウツーに飛ばされてから外壁をなんとか下るシーンとかも臨場感凄い。

 

それと背景やオブジェクト。

これはミュウツーの城に行ってからが顕著で、入り口の足場とか、狭い通路とか。

なるほど、そういう解釈なのねみたいな。

 

あとは技が明確に違うシーンがあって、フシギバナ vs コピーフシギバナのシーンなんですけれど。

青年のフシギバナが第四世代での新技「エナジーボール」を放ったときには思わず口が開いてしまった。

そして、それに対するミュウツーのコピーフシギバナも同様に第四世代の新技「リーフストーム」で吹き飛ばすシーン。

これは喰らったね…。

あまりやり過ぎると改悪とか言われちゃうんだろうけれど、俺はもっとバンバンやって欲しかったくらい好きな演出でした。

せっかくの御三家なんだから、ハードプラントブラストバーンハイドロカノンをぶつけ合って、コピーに力負けするシーンとか見たくない?

 

あとは、ミュウツーシャドーボール

S.H.フィギュアーツでもSHODOでもエフェクトはシャドーボールってことになっているのに、今回は黒ではなく、白だったんすよ。

いや、今更ね、フィギュアのエフェクトが白になってもなんか合わないし、困惑するっちゃそうなんですけれど。

あれはどうなんだろ、波動弾ってことなんかな。調べてもイマイチ出てこない。

ただ、ミュウツーはレベルアップでシャドーボール覚えないんすよね。

初代にはそれっぽい技がなかった故に、パッと見が悪者なミュウツーにはダークな技撃たせよう的な感じだったのかなとは思いますが…。

第四世代でレベルアップにて波動弾を覚えられるようになったことから、自分由来の技として使わせたのかなと。

 

 

 

それとなによりもアーマードミュウツーですよ!

 

めちゃくちゃ格好いいのに飽くまでも拘束具で冒頭で破壊されるっていうそもそもの使われ方があるんで一時的なものなんですけれど。

原作よりも現実的で目には見えない力で拘束されるとか抽象的なものじゃなくて、文字通り拘束具が物理的に噛み合って、動けなくするデザイン。

 

原作のがただの防具に見えるのなら、今作は強化アーマーにも見えるけれど、ちゃんと裏付けはあるという。

ただ、背中の拘束バンドは拘束時に身体に向けて、突き立てるような感じになるんだけれど、これは要る…?

バンドのせいで無駄に攻撃的に見えるし、やっぱり見た目は強化アーマーなんだよなあ…(;・∀・)

 

あと、待機時に繋がれるチューブが好きだったのに…、と思ったらちゃんとあったんですよ。

高速時の四角い模様の部分がカシャカシャって開いて、そこにドスドスと赤いチューブが繋がれる感じ。

まあ、最後はサカキからコケにされたところでキレて、密着している拘束具以外を破壊、アジトを爆破して、お空に一閃。

原作同様に高速で飛んでいく途中で拘束具が外れていって、着地点で頭の拘束具が足元に落ちる。

 

その後がエモいんすよ…。

自分が生まれる前にミュウの視点で見た美しい自然が一瞬だけ眼前に広がるんだけれど、そこは自分が生まれた場所の跡地で荒涼とした岩場と海しかないというシーン…(´Д⊂ヽ

まあ、最後にはコピーポケモンとそんな感じの土地にたどり着くっぽいんですけれどね。

 

 

 

あ、ちなみに俺が一番好きなシーンなんですけれど。

コピーポケモンが技なしのど突き合いにも疲れて、お互いにもたれかかりながら倒れるシーンのギャロップのところ。

ギャロップとコピーギャロップがお互いに倒れるシーンはスタジアムの照明が逆光になるような感じのアングルなんですが、これがとても美しい。

逆光で暗くなった体躯と対象的に背中を走る炎が美しく、スローモーションなシーンなのも相まって、思わず息を呑むようなシーンでした。

幻想的なシーンはミュウがいる森の中とか川の中とかいくつもあるんですけれど、ここが一番気にいったっすね。

 

最後、ミュウツーやコピーポケモンがみんなで飛んでいくシーンがいつまでも流れなくて、オミットされたのかとハラハラしていたら流れて、一安心。

劇場版グッズでスタンプセットがあるんだけれど、そのシーンのミュウツーとかミュウがあるんでそりゃそうだよね。

 

 

 

まあ、その他にも色々と書きたいこともあるんですけれど、とりあえず違いと気に入ったところをだらだら書いてしまったので、こんなもんでいいか(てきとう)。

 

ミュウツーが生物としてのコピーという劣等感や不確かさを抱えながら、他者に打ち勝つことでしか存在を証明できないという悲哀。

 

あの余裕ぶっこいて、舐めプ全開のミュウでさえ、種としての縄張りを邪魔されようものなら「単純など突き合いなら偽物には負けるわけがない(要約)」との火蓋を切るその誇り。

 

そもそも、「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」自体がオリジナルの「ミュウツーの逆襲」のコピーであること。

 

制作陣のインタビューやちゃんとしたレビューを書いている人達のを見れば、いくらでもらしきものが見られるんで、それはいいや。

お、俺のはほら、感想文だからさ…( ´ε`  )

 

 

 

でも、本当に面白かった。

 

ここ最近のは正直あまり面白くなくて、また見たいとは思わなかったんだけれど、これはまた見たいと思わせるような作品だった。

ぶっちゃけ、ミュウツーが出た作品とはいうものの、あまり好きではなかったんすよ。

ピカチュウがボコられたり、コピー御三家の見た目が恐ろしかったり。

自分が見たのは本当に小さい頃で「なんとなくこわいえいが」ってのが未だに根強い。

あの闇の力を得たような見た目のコピーリザードンリザードンの首に噛み付くシーンは21年前から今まで忘れたことはないし。

今作でそのシーンあったんですけれど、ちゃんとそのままでなんか良かった。

 

たださ…、本家に合わせたポケモン出してくれよ、ってのは言いたい。

記念すべき第20作目が初代リメイク+パラレルでその後ってのはまあ分かるよ。

で、その後にホウオウの続きみたいなものでルギアを主題とした映画…、いや、かなり分からんけれど…。

さらにその後に初代のリメイク?

 

 

新作の伝説のポケモン幻のポケモンを主軸とした劇場版ってのはもう出ないのかな。

ソルガレオルナアーラネクロズマたそがれのたてがみあかつきのつばさウルトラネクロズマ、その他のウルトラビーストも…。

(カプは…、いいや。)

ここらへんはもう出ないのかと思うと残念過ぎる。

 

来年も今年出るソード/シールドのザシアン、ザマゼンタは出ないんだろうなあ…。

いや、出たらサン・ムーンはなんだったんだよってなるけれど。

 

頼む、来年からでもいいから、周回遅れでもいいからサン・ムーンのやってくれ。

劇場版でウルトラネクロズマ見たいのだ…。

 

 

 

余談なんですけれど、ザシアンとザマゼンタならザイエローってのが第三伝説になるんすかね。

色の三原色だよね、シアン、マゼンタ、イエローで。

ってか、初代の赤、緑、青でRGBの光の三原色と対になるじゃん、原点回帰なの?

 

って調べたらそんな意見が山ほど出てきて、リーフストーム吹き荒れた。 

 

ミュウツーの逆襲 EVOLUTIONの巨大ポップ

 

商品概要(略式)

メーカー : 東宝

商品名 : 劇場版 ポケットモンスター ミュウツーの逆襲 EVOLUTION

公開日 : 2019年7月12日